首都直下地震の被害想定

2013年12月、政府・中央防災会議の首都直下地震対策検討ワーキンググループは、首都直下地震の被害想定を見直し、都心南部を震源としてM7.3の地震が発生した場合、最悪で約23,000人の死者を想定しました。この人的被害想定のうち30%(約7,000人)が建物倒壊など地震動を原因としているのに対して、地震後に発生する市街地火災を原因とする死者は実に70%(16,000人)にのぼっています。2005年に政府が行った首都直下地震の被害想定では火災による死者は55%、また2012年に東京都が行った被害想定では42%と、従来の想定よりも火災による被害を大きく想定していることが特徴です。

 

同ワーキンググループは、火災による被害状況を次のように説明しています。

  •  地震発生直後から、火災が連続的、同時に多発し、地震に伴う大規模な断水による消火栓の機能停止、深刻な交通渋滞による消防車両のアクセス困難、同時多発火災による消防力の分散等により、環状六号線から八号線の間をはじめとして、木造住宅密集市街地が広域的に連担している地区を中心に、大規模な延焼火災に至ることが想定される。
  •  同時に複数の地点で出火することによって四方を火災で取り囲まれたり、火災旋風の発生等により、逃げ惑い等が生じ、大量の人的被害がでるおそれがある。

 

syuto図:都心南部直下地震での火災による被害想定(冬・夕、風速8m/s)

出所:中央防災会議・首都直下地震対策検討ワーキンググループ「首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)」2013年12月 

今回の想定では、従来の被害想定では言及のなかった「火災旋風の発生」について触れるなど、火災による死者が90%超であった関東大震災(1923年)に準じた被害を想起させます。
このことからして、首都圏における地震防災は、建物倒壊による被害に加えて、火災による被害も同時に想定することが重要です。

 

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災害用伝言板

東日本大震災の時に「携帯電話がつながらない」という経験をされた方は多いのではないでしょうか?

今ではあまり見かけなくなった公衆電話に長蛇の列ができ、何十分も並んで家族や友人へ連絡を取った方もいると思います。

その経験をもとに現在では災害に強い携帯電話の研究が進められているそうですが、 仮に研究が順調に進められたとしても、有事の際の連絡手段として携帯電話に絶対の信頼を置くのは危険かもしれません。

 

東日本大震災の時もそうでしたが、携帯電話と比較してインターネットは比較的つながりやすい状況でした。 これは、インターネットが電話回線とは異なり回線がパンクしにくいデータ通信をおこなっているためです。

スマートフォンが普及した現在ではインターネットが携帯電話にかわる連絡手段として有効になるかもしれません。

では、インターネットを使用した連絡手段とはどのようなものがあるのでしょうか?

・Twitter

・Facebook

・スカイプ

・LINE

・・・・

と、色々ありますが、使い方を覚えておくと便利なのが「災害用伝言板」です。

「災害用伝言板」は自分の電話番号宛てにメッセージを残すことができるツールで、現在では利用してるスマートフォンや携帯電話のキャリア(Docomo、au、softbank・・・)に関係なく相互参照ができるようになっています。 自分がメッセージを残したことをメールで通知してくれる機能もあるので、家族や友人に一斉に安否を伝えたい場合に有効な手段です。

 

「災害用伝言板」は平時は利用できませんが、以下の日時であれば体験利用が可能となっています。

・毎月1日,15日 00:00~24:00

・正月三が日(1月1日00:00~1月3日24:00)

・防災週間(8月30日9:00~9月5日17:00)

・防災とボランティア週間(1月15日9:00~1月21日17:00)

家族や友人との間で事前に「災害用伝言板」を利用することを決めておき、いざという時のために体験利用可能な日に利用してみてはいかがでしょうか?

 

注)スマートフォンを使用したインターネット接続ですが、画面上部に「3G」と表示されいている場合は携帯電話回線での接続となりますので、携帯電話で通話しているのと同じ状況となってしまいます。接続する際は無線LAN(Wi-Fi)でインターネット接続する必要があります。

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マグニチュードと震度の違い

◎マグニチュード

地震の規模を表す尺度がマグニチュードです。観測された地震動の大きさから推定される値です。マグニチュードは世界共通の定義ですが、使用している地震計や観測網が異なるので計算結果が国によっては異なる場合があります。日本では気象庁によって決定される気象庁マグニチュードが用いられています。

 

◎震度

地震動の大きさを表す尺度が震度です。地震計により観測される値で、地震の規模、震源からの距離、地盤条件によって異なります。日本では震度0から7までの10階級(震度5と6はそれぞれ強と弱に1996年10月より分割)に分けられた気象庁震度階級が用いられています。

 

わたくし達がテレビのニュース速報等で気にするのは主に「震度」だと思います。

今の揺れが「震度1」なのか「震度3」なのかといったことですね。

ただ、仮にその時の揺れが「震度1」であったとしても、規模を示す値が「マグニチュード8」の地震であれば、どこか遠い場所で巨大地震が発生していることになるのです。

 

国内における主な地震のマグニチュードと震度は以下のような値となります。

・東北地方太平洋沖地震(2011年、東日本大震災)/マグニチュード9.0、最大震度7.0

・新潟県中越地震(2004年)/マグニチュード6.8、最大震度7.0

・兵庫県南部地震(1995年、阪神・淡路大震災)/マグニチュード7.3、最大震度7.0

・大正関東地震(1923年、関東大震災)/マグニチュード7.9、最大震度7.0

ちなみに、過去測定された最大のマグニチュードの地震は1960年に起きた「チリ地震」のマグニチュード9.5(最大震度は、日本の気象庁震度階級で6.0相当)と言われていますので、東日本大震災が以下に規模の大きい巨大地震であったのかがわかると思います。

 

震度とマグニチュードの関係は気象庁のホームページで詳しく説明がされていますので、ご興味があるかたは一度覗いてみるのもよいかもしれません。

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq27.html

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セミナー情報

2013/11/21(木) クラウドテクノロジーズ社が主催の「BCP対策にもう悩まない!企業の事業継続を実現するクラウドバックアップセミナー」に、弊社代表の小村が登壇します。
基調講演として、BCPにおける防災対策のあり方などについて事例などを交えつつお話しをさせて頂く予定です。
参加費は無料ですので、ご興味ある方は是非お越しください!
URL:http://www.cloud-tech.co.jp/seminar/131121/

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防災マニュアルの有用性

教育機関向けの防災サービスをご提供しております関係上、学校関係者の方とお会いさせて頂く機会が多いのですが、先日、お会いしたある教育関係の方から以下のようなお言葉を頂きました。

「防災マニュアルについては、まずは用意されていることが大事である。極端の話をすれば、自治体等が公開しているサンプルをダウンロードするのみでもよい。まずは『防災マニュアルが存在する』ということが重要です。」

 

はたして、本当にそうでしょうか?

 

2013年9月17日に東日本大震災で起きた幼稚園園児の死亡事故について判決がでました。

「東日本大震災の発生直後、宮城県石巻市の高台にある私立日和(ひより)幼稚園から海側に出発したバスに乗せられ、津波に遭った園児5人が死亡した事故で、仙台地裁は17日、園側に約1億7700万円の賠償を命じた。判決は遺族の主張をほぼ全面的に認め、園の「失態」を次々と認定した。」

今回の裁判の中で明るみになったことの一つは、「防災マニュアル」が活かされなかったことです。日和幼稚園でも防災マニュアルは用意されていましたが、職員には配布、周知されず、マニュアルの内容は全く機能をしていませんでした。

マニュアルでは「大震災発生時、幼稚園で保護者に園児を引き渡す」としており、きちんと機能していれば園バスにて送迎することもなかったはずです。

 

実は「防災マニュアル」については、ほとんどの教育機関にて整備がされています。

ただ、内容についてはいかがでしょうか?

立地条件や周辺環境、業務内容等の実態に即した防災マニュアルになっていますでしょうか?

更に、防災マニュアルが定めた手順通りに機能するのかを定期的に確認していますでしょうか?

 

防災マニュアルは存在することが目的ではありません。

有事の際に機能することが重要なのです。

日和幼稚園の悲劇を繰り返さないためにも「存在する」から脱却し「機能する」防災マニュアルを準備しましょう。

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戦後東京の地震

東日本大震災以降、震度5弱を超える地震が頻発していますが、東京の都心部では2011年3月11日を最後に震度5弱を超える地震は今日まで発生していません。

もともと戦後の約70年間で、東京の都心部で震度5を記録した地震は少なく、1985年10月4日(※1)、1992年2月2日(※2)、2005年7月23日(※3)、そして2011年の東日本太平洋沖地震の4度にとどまります。 しかしながら、1930年以前は下のグラフにみるように、東京では震度5を記録する地震が多発していました(グラフは、石橋克彦 『大地動乱の時代 -地震学者は警告する-』〔岩波新書 1994年〕をもとに作成)。

東京における震度5を超える地震

東京における震度5を超える地震

戦後の東京は、明らかに大地の静穏期の中でのその復興と繁栄をなしてきました。しかしながらこの静穏がいつまで続くのかは誰にも分からないのです。

※1 1985年10月4日 震源地:茨城県南部 M6.0
※2 1992年2月2日 震源地:東京湾南部 M5.9
※3 2005年7月23日 震源地:千葉市付近 M6.0

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避難所と避難場所

普段、「避難所」と「避難場所」の違いを意識したことがあるでしょうか?ただ「場」という言葉があるかないかだけなのですが、中味は異なります。
東京都では、これらを以下のように定義し、区分しています。
【避難所】
災害により住宅を失った場合に一定の期間避難生活をする場所。具体的には、小中学校や公民館などの公共施設が該当します。
【避難場所】
延焼火災などが発生した場合に避難する場所。具体的には、大規模な公園や団地、大学などが指定されています。
参考:東京都防災ホームページ(http://www.bousai.metro.tokyo.jp/

しかしながら、これらの定義は、自治体によって異なります。例えば、埼玉県のある自治体では、避難場所と避難所を特に区分せず、学校や公民館などを「避難場所」として表記しています。ところが、さらにその隣接する自治体では、逆に、それらを「避難所」としています。これらの用語の不統一は、当該地域の住民ならばともかく、外部からの訪問者には分かりにくく混乱をもたらしかねないものです。また東京では避難場所も、多くは一時集合場所と広域避難場所とに区別されますが、そうした区別がない自治体もあります。いざというときに、間違った避難が起きないかが心配です。

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